あと、2カ月余りで学校の必修の授業のカリキュラムとしてストリートダンスが入ります。
そのことが2011年の10月ごろから色々な番組で取り上げられるようになり、12月に発売された日経トレンディでは2012年度のヒット予測ランキングで堂々と3位になるなどにわか注目を受けています。
また、新規参入組として様々な業種の方々がこのストリートダンスに興味が出てきています。
そんな中で水面下でも、表面上でもストリートダンスと様々な形で絡む企業、人、ダンサー、その他沢山出てきました。
誰も10年前にはこんなふうになるとは予想してなかったでしょう。
教育になるというのが、いかにも日本ぽいなというのがまず僕の印象でした。
以前のブログ(2年前)が最近になって再び各方面の人に見られてたり、ツイッターで拡散されたりとしてるので、以前とは違う状況もあり改訂版のブログを書かなければいけないと思い、夜中時間が作れるここシンガポールにて100%マイケルジャクソンというラジオをTune Radioで聞きながら書いています。
世の中以前よりも海外が身近になりましたね。運よく一緒にお仕事させていただいてる方々のお陰で今はアジアの色々な国々でダンスと触れ合っています。
まず、教育の前に語らなければいけないのは、日本の環境とアジア近隣諸国の環境についてです。
今日本はダンス大国です。アジア中の国々が日本のダンスシーンをYoutubeなどで注目し、見ています。残念ながら音楽はほぼどの国も韓国にやられています。日本はほとんど知られていません。ダンスミュージックというカテゴリーでは見られていないのでしょう。
そしてダンスで日本に追いつけ、追い越せと練習を楽しく、厳しく踊っている印象です。
でもまず日本と圧倒的に違うのは、、、
日本=お金がない層がダンスをやっている
東南アジア=お金がある層がダンスをやっている
でした。日本ではあまりお金がない(とはいっても他のアジアの国よりは所得はあるのですが)というダンサーを多く見ます。というよりは、お金をシーンに落とさない、というほうが厳しいですが正しいかもしれません。
逆に例えばインドネシアでは、お金がある層が趣味に時間もお金も費やすことが出来ますのでダンスやってる子は当たり前のようにスマホにタブレット、高価なスニーカーにレッスンも通うわけです。
ダンスをやりたくても生活が厳しくて、ダンスが出来ない子も沢山います。
ここ最近で強く思うのは、今の日本のダンスの流行りというか文化になりつつあるこの宝は、日本の安全面から来てるものだという認識です。
なぜ日本のキッズはあんなにダンス上手いんですか?と現地の子に聞かれました。
スクールもあまりなく、また夜は危なくて通えないそうです。
日本はキッズダンサーだけで帰ることもあるくらい安全面で言えば恵まれていますね。
その時思いました。
日本はただ、スクールが多くて、レッスンが多くて、先輩たちがしっかり伝えることが出来て、上手になれたわけじゃないんだなと。今のようになるには、例えば地球に水があったから、また太陽との距離が奇跡だったから生命が生まれたように(ちょっと大げさかもですw)、環境というのが凄く大事なんだなと。
アメリカのグルーブや、例えば最近ではKRUMPが生まれたように、環境で生まれるモノがあります。
日本は、まず教育になる、ならないの前に環境が他の国に比べて凄く恵まれているということを認識しないといけないなと思いました。
やはり安全面や衛生面、その他をとっても日本はアジアでずば抜けていると思います。シンガポールも香港も凄いです。ですが、日本はその上を行っています!
話を戻しますが、そんな環境の中でここまで育ってきたストリートダンスが、2012年より教育の必修課程に入る。
これはストリートダンスの新たな元年になります。
これをチャンスとばかりに色々な人が騒いでますが、これはおおいに歓迎するべきことだと思っています。
ですが、元々このシーンを支えて作ってきた先人たちは、複雑でしょう。
そんな中で、この教育という部分になることで大事なことは、
ストリートダンスの本質を大事に、芯を変えず、軸をぶらさず、貫き続けるコミュニティの存在が今まで以上に重要。
そしてそれをかみ砕いて現代のシーンに合わせて拡大させるマーケットの革命を担う立場の存在。
更に一般の層に知ってもらい、いわゆるダンスに興味をもってもらう最もダンスとは程遠い存在の層とコミュニケーションを取ることができる層。(一番嫌な部分をやらなければいけない可能性も高い)
ぞれぞれが、それぞれにしか出来ないことをやることが重要です。
今のシーンにはそれが見えなくて、そのすべてを一手に引き受けたいと見える動きもあります。それは無理な話です。そもそもそれぞれにベクトルが違うのですから、一緒にしてはいけないです。
教育を実際に任せるにはどこに任せたらいいのか、未だにその選定先が確定してるという情報はまだ聞いていません。
4月まであと2カ月を切ってるにも関わらずです。
今日本にはストリートダンスの協会がいくつも存在しています。それぞれが重要なポジションを築くべく動いています。
僕も仕事柄、色々と多方面で動きを聞きます。聞くというよりは勝手に話が入ってきます。
そこで思うのですが、単純にダンスをもっと沢山の人に知ってもらいたい!みんなでこのストリートダンスを共感したい!と純粋に思ってるのであれば、いち早くいくつもの協会が一つになることですね!
そもそも協会というのはそういった意思でもって存在するべきものだと僕は考えています。
なので、よくアノマリー(弊社)は協会を作らないのですか?と聞かれていたのですが、即答で作りませんと言っていました。
形だけではいくらでも作れます。
でも重要なところはそこではない。協会というのは本来、それを広めるためにという大義名分があり、そしてそこでビジネスを主体で考える団体ではなく、むしろ各方面のサポートをするというのが本来の目的なのではないでしょうか?
他の事業で、ビジネスで成功してたり、資本の面で力がある方々でダンスを愛してる方々が資金を持ち寄り、協会を立ち上げるというのが僕の一番の理想形です。甘い部分があるでしょうがね。
例えば、ダンスが常に披露できる常設の舞台を作ったり、ストリートで練習できるスケボーでいうランプのような場所を提供したり、空いてるスタジオなどを無償で提供できるよう各方面と調整を取り、かつダンスの笑顔のパワーで元気にできるような環境整備を行っていく。
そういったことが協会で出来ればいいなと思います。
検定は今はいらないかな~。って俺は思う。(違う観点での検定は考えてるけど、これはまた別の機会に)
空手で言う茶帯、黒帯みたいに初段とかあると目標になるのはわかるからそういった観点ではあればいいと思うけどね。
広がる、広げるってことはそういうことなのかもしれないけどね。
でもさ、ダンスって心が勝手に動くものじゃん。ダンス検定○○級だからって、心が揺さぶられる踊りをするかどうかは全く別だよね。自信になって結果ダンスがよくなることはあるかもだけど。
その検定で、どこどこで職業として教えることができるとかいうある種の法整備みたいなものが確立されて初めて意味があるかもね。更にはその級を持ってるだけで、他の人たちが認めてくれる物差し的な。(たとえば漢検2級ってだけで、ほ~ってなるし、空手黒帯ってだけで、え~って言われるw)
今、ダンス検定で4級なんです!って言われても、、、。って感じかな。
リアルなダンスシーンではそんなものぶっ飛ばすパッションが沢山見れるから余計にそう思う。このシーンを知ってもらうだけで、検定をやるよりも何十倍、何百倍とパワーになるよ。
検定がダンスを広める一つなのであれば、今ある検定をみんな一緒にしちゃえばいいのに。
まあ、大人の世界なのでそこは利権が絡むとそう簡単にもいかないんですが。そうならないと、本当の意味でダンスを広げたい!って思いとは離れていくのかな~ってさ。
俺は、この壁を越えて何か協力できればいいなと考えています。
こないだ、バレエのキッズがやたらメディアに取り上げられていたけど、いやいや、ストリートの世界では頻繁に起きてますからその現象!ってストリートダンサーみんな突っ込んだよねwww
さて、話は実際の現場に関してですが、文科省も定めたのであればもっと速やかに動いてほしいですね。未だに周りに困っている人が多い多い。(もしもう決まってるのであれば、早く発表を!)
習う子も悩むが、それ以上に今までダンスに触れたこともない先生たちが余計に悩んでるよ!
以前弊社で小学校の先生を対象にワークショップを行った時も、相当困ってたもん。
教育に入るということは、それを知る層が増えるわけで。
その副作用で何が始まるのか、ある方に聞いて学んだことがあるけれど、文化としての衰退の一歩目が教育になることだそうです。
なるほどって思いました。
文化、芸術、アート、そのどれもが尖がったモノです。
それをわかりやすくしなければいけないものが教育。
ストリートダンスの尖がった、突っ走った、今まで大事とされた部分が、自分たちの100%望む形では決して表現されないでしょう。
でもこれは仕方ないのでしょうね。
僕らが学校で習った教育は、例えば数学では、数学の学者からしたら、学校で教えてることは全然コアじゃなく、数字の概念から説明してくれるはずもなく、元々の数学の必要性、芸術性、などは無視して表面上で計算さえできればいい!となるのかなとw
数学だと僕ら何も疑問に思わないかもだけど、自分たちのダンスに置き換えると納得するんじゃないかな?
重要なのはその先にある道かなと。
元々僕は、ストリートダンスの会社を8年前に作った時に、未だ軸が変わらず貫いてることは、ダンスのエンターテイメントを興せる会社を作る!でした。
ダンスを始めるその初期衝動が、例え教育であれ、スタジオであれ、クラブであれ、Youtubeであれ、全然いいのです。
重要なのは、その先に何かを求めてきた時の道を作れたら最高に幸せだし、みんなも喜んでくれるはずだ!と。
そう信じて今も、突っ走っています。
総評としてまとめると、ストリートダンスが教育になる。全然いいじゃないですか!
その分母数が増えれば、尖がる数も増える。メジャーが増えればコアも増える。
それぞれにマーケットが拡大します。
たかだか数億レベルの会社が動いてるだけで、ダンス業界が動いてるくらい小さなマーケットです。
そりゃみんなが幸せになるはずないですよ。
ダンス界の一番の問題は、ひがみ、ねたみ、中傷、です!
みんな余裕がないから、いらぬことを言う。そんな時間は本当はないはずなのに。
2月も終わり。あっという間ですよね。
あと10カ月で2013年~!ですよw。
ダンスを愛してる人、自分をダンスで貫きたい人、ダンスで生活してる人、ダンスを支える音楽を作ってる人、舞台照明さん、演出家、ステージを用意する人、ダンサー整体師、ダンサーフォトグラファー、映像演出家、スタイリストに衣装さん、ダンサーズブランド、ダンサー音響メーカー、ダンス雑誌、他にも沢山の方々がいるダンス業界。
でもまだ業界と呼ぶには程遠い。と俺は思う。
でもね、これだけ騒がれてて、注目を受けてて、実際には潜在的に沢山の数のダンス好きな人がいてさ。
マーケットが小さなままなはずがないんですよ、ホント!
僕は、ダンサーで実際嫌いな人なんていないんですよ。みんなそれぞれの立場で凄くダンスが好きで、それぞれの表現の仕方が違うだけ。
みんなで超笑顔で、ダンス見あって、笑って、それでいてそれが最高の仕事で。
小さいマーケットでミクロな視点で見ないで、もっと大きな心で大きな視点で見れば、みんなで手を取りあえば、凄いシーンになるのは確実、確定なんです!
ストリートダンスで何一つ、大きな事象が起きてない一つの理由は、みんな自分が可愛い!このことにつきます。
いい意味でも悪い意味でも全員がダンスで自己表現できるプロデューサーなんです。
それが、自分の本当の力を埋もれさせたりチャンスをつかむことができなかったりという事につながるケースが多いのです。客観的に見ればこ~なのにってことがお互いにあると思います。
それぞれの持つ素晴らしいところを応援しあって、サポートして、逆に自分の時も応援してもらう。
大事なことがそれが表面上ではなく、魂の部分でね!
それぞれに得意なことがあります。何でも自分でやろうとする器用貧乏はやめよう!
そういった意味では、自分の持つ武器をシェアすることが大事でしょうね。
今年はダンサーもそれを取り巻く色々なところが、沢山動いています。それだけ色々なことが起きるでしょう。
その結果、ダンサーみんなで笑えるようになるだけ近づけたいですね!
非言語で、身体を使った人間最高のコミュニケーションツールであるダンス!
僕は世界最強の宝だと思っています!
みんなでいつか笑いたいな~☆