若く才能溢れるアーティストたちを支援する世界的な音楽学校、レッドブル・ミュージック・アカデミー(以下RBMA)が15周年を迎え、ロンドン、マドリッド、ストックホルム、東京の4都市で週末数日間に及ぶ都市型音楽フェスティバルを開催。東京では11月1日(金)、2日(土)、3日(日)、4日(月・祝日)に渡って〈Red Bull Music Academy Weekender in Tokyo〉と題したフェスが開催され、本日1日には日本を代表する寺院「築地本願寺」にてドイツを代表するエレクトロニック・ミュージックのプロデューサー、ヘンリック・シュワルツ(Henrik Schwarz)を招いたオープニング・パーティが開催される。
RBMAの精神を体現したイベントになるというこのイベント、東京では11月の「文化の日」を含む第1の週末に開催される。開幕となる11月1日(金)の「Opening Party」は、ヘンリック・シュワルツがオーケストラ向けにアレンジして書き直した自身の代表曲を、このコンサートの為だけに集められた25人編成の日本の若手交響楽団と生演奏で披露。テクノ/ハウスには必要不可欠なベースとドラムを完全に取り除く挑戦となるが、ヘンリック・シュワルツとしても指揮者として登壇するのは初の試みだ。
11月2日(土)にはまず西麻布 SuperDeluxeでは「Damo Suzuki’s Network」と題して、ダモ鈴木(ex. CAN)のキュレーションにより、灰野敬二、オマー・ロドリゲス・ロペス(Omar Rodríguez-López)など総勢20名のミュージシャンが、長時間に及ぶ即興演奏を披露。またSF映画の原点とされる1920年代のサイレント映画『メトロポリス』のサウンドトラックを独自の解釈で演奏する即興パフォーマンスも予定されている。
一方、2日深夜23時からの渋谷 WWWでは「Beacon in the city」と題し、ネットラジオのdublab.jp協力のもと、LAからデイデラス(Daedelus)と、dublab主宰のフロスティ(Frosty)を招聘し、ライブ&DJのほか、ふたりのプロジェクトであるアドヴェンチャー・タイム(Adventure Time)のスペシャル・ライブが披露されるほか、LAのdublabスタジオから生中継でDJ&ライブが届く予定。さらに日本からは、ジャズ・ベースのゴッドファーザー鈴木勲とDJ Kenseiの初セッション、イルリメによるラジオスタイルのDJ、SIMI LABのOMSBとHi’Specのライブを予定。また日本で最も重要なラジオDJであるピーター・バラカンを招き、dublabのフロスティと共に、音楽ラジオの魅力と可能性を語るトークショーも開催され、一夜そのものがスペシャルなラジオ番組というイベントだ。
3日(日)の日中は、表参道のギャラリー BA-TSU ART GALLERY / Gallery COMMONにて音楽の文化と歴史を五感で楽しめるカルチャー・フェアが入場無料で開催。JAZZY SPORTやLighthouse Recordsなど厳選されたレコードショップ10店舗以上が参加するレコードフェア、音楽を軸としたセレクションで展開するブックフェア、野外でのフードフェア、レジェンドDJたちのスタジオ写真を収録したレア写真集『BEHIND THE BEAT』のフォト・ディスプレイなど、上質な音楽を五感で楽しめる上に、DJ Cosmoによる名盤リスニング&トークセッション・プログラム「Classic Album Sundays」ではDJ KRUSHがスペシャルゲストとして登場予定。さらにレッドブル・ミュージック・アカデミーの15周年を記念してドイツ・ベルリンのGestaltenから出版される豪華アートブック『FOR THE RECORD』のエキシビションも開催される。
3日夜には渋谷 SOUND MUSEUM VISIONで、ジャイルス・ピーターソン(Gilles Peterson)、ジャザノヴァのアレックス・バーク(Alex Barck of Jazzanova)、フォルティDL(Falty DL)、コアレス(Koreless)、grooveman Spot、沖野修也(KYOTO JAZZ MASSIVE)、松浦俊夫、cro-magnonなど世界的な著名DJ、アーティストによる豪華クラブ・イベント「Club Night」が開催される。
また恵比寿 LIQUIDROOMでは、3日(日)と4日(月・祝日)の両日にわたって、最先端のエレクトロニック・アーティストが多数出演する「EMAF TOKYO 2013」とのコラボレーションで電子音響フェスティバルを開催。カールステン・ニコライ(Carsten Nicolai)、world’s end girlfriend & Another Alchemy、環ROY×蓮沼執太×U-zhaan、ヤン富田、砂原良徳など最先端のアーティストが計40組以上も出演する。また3日にカールステン・ニコライ、4日に砂原良徳によるレクチャーも開催決定。彼らの制作秘話や音楽に対する姿勢、日々の制作活動で何からインスピレーションを受けているのか? などアーティスト本人から貴重な話を聞くことができる。
そして4日、締めくくりは恵比寿 Time Out Cafeで入場無料の「Closing Party」。ディープハウス界のポリティシャン、DJスプリンクルズ(DJ Sprinkles)によるロングセットで最終日の夜が飾られる。4日間にわたって東京各地で開催される〈Red Bull Music Academy Weekender in Tokyo〉、エンタテイメントとしての音楽、そして創造性に溢れたアート/クリエイションとしての音楽を楽しめる祭典となりそうだ。
元記事 : bmr 配信日時 : 2013-11-01 13:22