東京・代々木を拠点に日本独自とも言える創造的ハウススタイルを追及し続けるTAKUYA、Suthoomからなるハウス、フリースタイルダンスデュオSYMBOL-ISMが今回2人のみによる60分間の単独公演を行うようだ。JAPAN DANCE DELIGHT、DANCE@LIVE等、シーンの前線で活躍をみせながらもアンダーグラウンドな切り口で音楽、ストリートダンスの新たな可能性に挑戦し続ける彼らの真骨頂ともいえる公演「SYMBOLIVE Emotional Logic」とはいかなるものか?今回、DANCE@TALKではSYMBOL-ISMの2人をスペシャルインタビュー!
- STAFF
- まずはじめに、お二人の出会いからSYMBOL-ISM結成にいたるまでの経緯は?
- TAKUYA
- Suthoomは当時RAVE2001とかに出ていたんだよね。それで俺も顔と名前は知っていたんだ。俺はその時既に九州から上京していて、クラブで踊ったりはしていたんだよね。それで共通の先輩のSUJI君を通じて一緒に遊びにいくようになった。俺はB-BOY上がりっていうのもあってかサークルで踊ってばかりいて、Suthoomはショーケースとかに力を入れていたように俺には見えていて、だから元々はあまりサークルとかで一緒に踊ったりはしていなかったような気がするかな。けど何かそういう思考に周りの皆もなってきた時期があったんだよね。ソロ踊り合おうよみたいな。でSuthoomもそういう輪で一緒に踊り始めた感じだよね。それが2人でのSYMBOL-ISMの出会いかな。SYMBOL-ISMって言う名前自体はもっと昔からあったのだけど、その時その時の仲良かったやつとかと踊っていたメンバーでSYMBOL-ISMっていう名前で活動していただけなんだよね。
- STAFF
- SYMBOL-ISMの名前の由来は?
- TAKUYA
- 元々フランス語の美術用語で写実主義っていう、ちょっと難しい話なんだけど、具体的な絵を技術として上手く描くみたいなことから内面を写すような象徴派に移っていく流れの運動の一つみたいなものなんだけど。
- STAFF
- 10代でそんなこと考えていたなんて凄いですね。(笑)
- TAKUYA
- 名前つけた後色々調べて解かったことも多いけど。ネットとかもない時代だけど、色々調べたりして。まあそういう部分が根底にあったんだけど、そういう考えが今も偶然ながら続いている感じはあるんだよね。目に見えないようなものを表現しようっていう。
俺とSuthoomになってからは10年くらいかな。そこからがまた一つのSYMBOL-ISMとも言えるね。そこからワーっと活動もしたし、考え方も改めたり、そのままいったりを繰り返して。
- STAFF
- DANCE DELIGHTに出だしたのは2人になってからですか?
- TAKUYA
- それも結構バラバラに変わっているね。5人の時とかもあったし。
- STAFF
- SuthoomさんにとってTAKUYAさんはどんな印象でしたか?
- Suthoom
- うーん。覚えてないね。(笑)
けどTAKUYAは常に何かを起こそうとしている人だから。今もそうだしね。そこの感じが自分の性格の緩い感じとも合っていて、その時も面白い話を持ってきてくれていたから一緒にやっていった感じかな。今も昔も変わってないね。
- STAFF
- 現在、SYMBOL-ISMとしての活動内容は?
- TAKUYA
- 俺的にはチームもそうだし、ダンサーとしてダンスだけでもないんだよね。俺はANCEやworcle、shirokuma等のダンスや音楽のスペースの運営もしていて、立ち上げにはSuthoomも関わっていて、今ちょうどSuthoomが新しいスタジオを開設する事が決まって動いているしね。あと、今はyygrecなるレコードレーベル立ち上げて先日もNYのDJ QUの12inchをJPN、US、EUにて発売したばかり。
ダンスは勿論の事ダンスにまつわる色々な事を自分たちでプロデュースして自分達の踊る環境は自分達で良くしていくってことをやっていきたくて。SYMBOLIVEはその中の一環って感じかな。自分たちに必要なものはダンスのスタイルでも踊る場でも音でも作っていくのがSYMBOL-ISMってチームでこれからもやっていくことかな。
- STAFF
- そもそもSYMBOLIVEをやろうと思ったきっかけは?
- TAKUYA
- SYMBOLIVE自体は実はもう何回かやっていて、その前身となるイベントもその前からやっていたんだよね。
みんなあると思うのだけど、創作的な部分が自分らの側面にあって。大体のダンスイベントは対バン形式で行なわれるよね。5分とか10分とかで各自ショーを作ってきて、みんなでイベントを作りましょう的な。けどそれはあくまで対バンだから全てを自分達色には勿論染められない。なので、たまには自分達の日みたいなのを作りたいなって。10分とかそのくらいじゃ自分たちが今までやってきた事が表現しきれない、消化されないこともある。っていう事でそういうイベントを昔からやってはいたんだよね。
けど今回に関しても、そんな大規模でやりたいわけじゃないというか、純度を落としたくはないっていうのがあって。これは話が矛盾してしまうのだけど俺等がダンス始めたてのとき見た凄いダンサーとかの衝撃って、不可思議というか10分くらいがちょうど良いともいえたんだよね。10分くらいで特に作り込んでなかったりして無責任に踊る人達が好きで、そういうストリートダンスとかヒップホップの自由度に憧れていて、その初期衝動は今も変わらないんだ。だからジャズとかバレエとかの公演みたいに、ある種実用性のある、完成度の高いものにしすぎたくなくて、すごく意味のない事をやりたいんだよね。勝手ともいえるのだけど、自分たちがその時々で沸き出たものをただただ表現したいっていう。そういう場にしたいっていう気持ちがありつつも、もちろん多くの人に見に来て欲しいし、頑固になるつもりはないのだけど自分たちがやりたい事を表現したくて、それが10分では表現しきれなくなっているからやる。こんな相反する自分勝手とも言える衝動、、。って俺は何を言っているのだろうね。(笑)
- Suthoom
- だから今のシーンと真逆なのかもしれないね。シーンが盛り上がってきたじゃん?良くも悪くも。盛り上がるって一つのキーワードだよね。振り作るのもソロやるにも。ただ盛り上がる事が必ずしもいい事かはわからないんだよね。みんなにウケる為にとか、仕事がなくなっちゃう、とかそういうとこにはいないっていうか。それをやっちゃうと自分たちの本当にやりたい事が失われちゃうと思うから、60分の中でそういう事をやりたいんだよね。もちろんお客さんが楽しめるようなことをやりたいっていう気持ちはあるのだけどね。
- TAKUYA
- そこのせめぎ合い、生きている中でお金とかとのせめぎ合いとも同じなんだよね。どこまでが愛情でどこからが媚なのかっていうね。もちろんウケて欲しいって気持ちはあるんだよ。けどホントに極端にいうと着ぐるみ着てまで盛り上げたくはないよ、みたいなね。中には着ぐるみ着てるのと変わらないじゃんって思うような振り付けをしている人達もいるよね。そういう人達も好きなんだよ。見ていて面白いし。けどそれがやりたいんだったらいいのだけど、根底がストリートで本当はこうしたいんだけど、ねじ曲げちゃうってなるのは違くて、俺らのスタンスとしてはいいなって思えるものを根底にもってやっていきたいって思っているんだよね。まあその根底自体が変わっていく事もあるのだけどね。もしかしたら何年後かに着ぐるみきて踊っているかもね。
- Suthoom
- ありえるかもね。(笑)
- TAKUYA
- それはそれで。着ぐるみ着たかったら着るみたいな。
- Suthoom
- あの時はヤバかったな、で終わる話だよね。(笑)
- STAFF
- 2人で60分ってダンサーとしては結構長いですよね?
- TAKUYA
- まあ、けど昔からやってきている二人なので。それくらいで。
- STAFF
- なぜ後輩、生徒でも実力のあるダンサーが育ってきている中、2人のみで公演をやるのですか?
- TAKUYA
- 何というか、、俺ら的には後輩は後輩でカッコ良くあって欲しいっていうのがあって、勿論集合したいときもあるし仲間だから一緒に練習したりもするのだけど、あんまり俺らのレールにのみに乗せたくないと言うか。代々木ってキーワードで一括りに見えているかも解からないけど、そもそもは皆個人個人なんだよね、皆好み、方向性は勿論細かく違うし。あと、今回は少人数でやる事によって自分に負荷をかけて挑戦したいって気持ちもあるんだよね。けど今回2人なのは偶然ともいえるかな。相当前だけど前回は10人くらいでやった事もあったし。
まあもっと小さい規模なら2人で何回もやっているしね。ほとんど見せ物になっていない即興だったり、振りゼロみたいなのを1時間以上やったり。演奏も即興で俺らも即興でとかもやってきたけど。ただそういう意味では今回はちゃんと作って見せ物としてやる公演を挑戦してやるって感じ。
- STAFF
- 今回の公演を作って苦労している事は?
- TAKUYA
- やっぱりやるからには観た人に何か感じてもらいたい。あとは今回椅子に座っているお客さん相手なのでクラブとかとは勿論違うっていうのもあり、一時間飽きさせないという事と自分たちがやりたい事とのせめぎ合いで試行錯誤はしているね。
まあけどダンスを作る部分は苦労という苦労は無く、ただただ無我夢中に頑張れる。どちらかというと金銭面とかは苦労というかクリアしていきたい課題。こういう公演となると普通に考えるとリハーサルとかの労力分とお金の面は現実なかなか割に合わず、当然通常の5分~10分のショーケースで仕事をしていた方が楽は楽なんだよね。けどもう俺らもダンス初めて20年くらい経っていて、ショーケースを仕事としてお金をもらうようになって10数年経っていると思うのだけど、やっぱり新しい事に挑戦していきたいと思っている。だからこの労力分と経済的な部分をもっと上手く結びつけたいっていう思いも強い。それを俺らは何とかこのアンダーグラウンド的なスタンスの切り口で解決していきたいなって思っているんだよね。
今まで自分たちが作ってきた環境であったり、そこへ出入りするミュージシャン、クリエーター、ビートメーカー色々な繋がりもあって、一つの作品を作るにあたっての環境は整っているから、あとはそういう部分を経済的にももっと上手く繋ぎ合わせてこういった活動を活発化させていければっていうのはこの先も課題です。
- STAFF
- 公演名Emotional Logicについて
- TAKUYA
- 自分はダンサーと経営者の両方でいて、その両方含めての最近のテーマで、Emotion(感情)と Logic(論理)っていうのは相反するとても重要な要素だと思うんだよね。子供がただただ純粋に踊っている的なやりたい事、わがままな部分、感じたままただただ動く。それらを頭で理解していく論理、構成であったりダンスの裏付け、基礎的な部分。そういった切っても切り離せない相反する要素。お金の事だったり、集客だったりもそう。両方が組み合わさって物事が成り立つみたいなね。ちょっと大人っぽい意見なのだけど、感情が先立っているっていうのがすごい重要で、Emotional。それが基本にあって、それらを理解していくと大人的アンダーグラウンドダンスが出来るのかなって。なのでそういうのを踏まえたショーを創ります!
- Suthoom
- 俺も同じ事聞いたんだけどね。これなに?って(笑)
- STAFF
- そうなのですね。(笑)
では、そんなEmotional Logicの見所は?
- Suthoom
- いろいろな部分でやり口が一辺倒になっていっているから、歌だって色々な種類があるのと一緒でアイドルとかがいればマニアックな世界もあって、なので俺たちはこういうダンスもあるんだよっていう提示がしたんだよね。
- TAKUYA
- 当たり前ですが単純に二人にしか出来ないショー。日々の中で生まれた動きや音楽観、僕らが共有する癖や空気感、、コンテストとかバトルでは見せられていない僕らの日常に近いダンス、、ここ代々木に集まるあらゆるダンサー、ミュージシャン、アーティスト皆の影響、、、そういうのを何とか見えるレベルにして見せたいです。現在の情報過多なダンスシーン、色んなダンスが良くも悪くも共有されすぎていて世界中が同じ動きをすぐ察知出来る。勿論それによって全体のレベルは上がっていて凄い良いことでもあるけど自分らはここYOYOGI、SYMBOL-ISMって一目見たら解かる踊りをしたい。僕らがいいなと思う音取り、シルエット、価値観、例え技術レベルが下がってもそういうのを大事にしたいかな。あ、あと自分らならではな質素な感じ?を出したいかな。まあ野球とかで言うとホームランばんばん打って目立つタイプじゃない、そういうアメリカンなタイプじゃないです二人とも(笑)。目立たないところで渋い流し打ちして派手な記録には残らずとも貢献しているタイプに尊敬の念を抱く!(笑)なのでコンテストとかバトルとかでの僕らのイメージもあるかもだけど、こういう偏った側面も含め見て欲しいです。?マークが付く部分もあるのだろうけど、そういう否定も含めて大歓迎です。DISも全然いいよね(笑)是非観に来て色々感じて欲しいですね!
- Suthoom
- 来てください!
- STAFF
- 公演楽しみにしています。
ありがとうございました。
SYMBOLIVE SYMBOL-ISM 60min dance showcase 2014.1.26 (sun)
place : DDD AOYAMA CROSS THEATER
1st 14:00 open 14:30 start / 2nd 18:00 open 18:30 start
fee : adv 4,000yen / door 4,500yen (全席自由)
前売チケットご予約 / 問い合わせ info@symbol-ism.jp / 03-3375-5409 (ANCE)
チケットぴあ Pコード:625-494 http://t.pia.jp/
>>SYMBOLIVE チケットページ : 0570-02-9999
SYMBOL-ISM
東京・代々木を拠点に活動するTAKUYA、Suthoomの二人によるハウス、フリースタイルダンスデュオ。互いに10代よりダンスを始め様々なジャンルのダンスを学ぶ。
その後上京し、東京に集まる様々な情報、日本ならではの多ジャンルの交差に早くから着眼し独自のスタイルを構築。
2006年夏行われた世界最大のストリートダンスコンテスト「japan dance delight 13」ではシカゴハウスのルーツ「jacking ジャッキング」を消化し、過去類を見ないハウスパフォーマンスを展開し、過去13年間成し遂げられなかったハウスダンスチーム初の優勝という快挙を成し遂げる。
その他個人においても互いにソロバトル「THE GAME」、「DANCE@LIVE」等にて数々の優勝、入賞を収める。2008年には単独ダンスライブ「SYMBOLIVE」を初開催、SYMBOL-ISM名義での2枚のDVDをリリース。その他全国各地でのダンスイベント出演、ワークショップ、審査員、コレオグラフ、レッスン、イベントオーガナイズ、ダンススペース運営、DJ、音楽制作、レーベル運営、、、ダンスに付随するありとあらゆる要素と絡み合いながらダンスというアートカルチャーの独自の普及に努める毎日を送る。