事前の告知は一切なしで、iTunes独占先行で突然リリースするというノン・プロモーション体制ながら大ヒットを記録しているビヨンセ(Beyonce)のニュー・アルバム『Beyonce』だが、米Billboard誌の調査によると、発売から10日間で24万件におよぶ違法ダウンロードが確認されたという。
12月13日、iTunes独占先行で“サプライズ”リリースされたビヨンセの新作『Beyonce』は、ノン・プロモーションにもかかわらずアメリカでは3日間で61万7,213DLを売り上げ、米iTunes Storeでの最速記録をたたき出し、先週、米Billboardのアルバム総合チャートで初登場1位に登場。2週目もその勢いは止まらず、デジタル・ダウンロードとフィジカル・セールスをあわせ、およそ37万4000枚を売り上げ、2週連続1位の全米チャート1位を達成し、米国内のセールスがおよそ99万1000枚とほぼミリオンに。この数字は、2013年の米国アルバム年間トータル・セールスの中でも12位となる大ヒットとなる。
一方で、この話題作は違法ダウンロードでも“人気”を博し、Billboardによれば、12月13日の発売からわずか10日間で24万件におよぶ違法ダウンロードが確認されたとのこと。アメリカでは15.99ドルで発売されており、換算すれば380万ドル、およそ4億円の被害となる。また、新作リリースにより、ビヨンセの過去作にも注目が集まったようで、発売前の12月12日にはビヨンセの過去作は1日で2240件ほど違法ダウンロードされたが、新作発売後の15日には1日で1万1588件と違法ダウンロード数がおよそ5倍となっている。これを「被害」と見ることもできるが、アーティストのさまざまな分析を行うMusicmetricの最高経営責任者はこうしたデータを「注目が集まっている好機」とみなすこともできるとしている。ビヨンセは前作『4』の際には発売2週間以上前に音源がインターネット上に流出しており、甚大な被害を被ったとして、容疑者として逮捕されたスウェーデンの男性に対し損害賠償を請求したこともある。
なお、10日間で24万件におよぶ違法ダウンロードの被害に遭っても『Beyonce』の勢いは衰えることはなく、発売3週目となる次週もおよそ25万枚のセールスが見込まれており、3週連続の全米チャート1位は確実と見られている。
元記事 : bmr 配信日時 : 2013-12-29 23:26