2014年1月26日、DDD AOYAMA CROSS THEATERにてSYMBOL-ISMが新たな表現の可能性を魅せた。これまで様々なフィルターを通し“表現を追求”してきたSYMBOL-ISMのTAKUYA氏とSuthoom氏が、60分間の単独公演をたった2人で挑んだ。以前にも、このようなスタイルでのショーを2人、もしくは複数人で行ってはいたが、今回の規模で着席型というのは初開催となる。開演直前、場内には多くのファンが集い満員御礼。心無しか、緊張感が漂っていた。
期待が募る中、スモークが劇場内を覆い照明が落ちると、突然舞台の背面全体に巨大な宇宙空間が映し出され、幻想的な音楽と共に観客を包んだ。ゆっくりと登場する2人。じわじわと世界観に引き込んでくる感じがSYMBOL-ISMらしい。すると、突然曲調がガラっと変わり、HIPHOPやSOUL雰囲気のナンバーに。このとき、会場からも少しどよめきがあがったが2人でロッキングをも披露。とても楽しそうに踊る2人が印象的であった。場面も切り替わり、今度は映像・音楽・ダンスが三位一体となるナンバーが登場。2人が何度も折り重なるように動きながら、時に激しく、時に穏やかに、ひとつひとつを繕うように、音楽・映像とシンクロし空間を創り上げていた。
舞台も終盤になるとドラム・ベース・サックスの演奏者が登場。臨場感溢れる生バンドとのセッションが始まった。
どれだけの時間が流れたかわからないが、このセッションだけで10分は悠に超えていたような印象だった。終演後にTAKUYA氏曰く、セッションの半分は完全にフリーだったとのこと。事前に多くを振付けせず全体的に良い意味で緩く、クールにまとめあげるのが彼ららしい表現となっていた。最後に「これまでストリートで受けてできた価値観を表現した」とTAKUYA氏がコメント。途中の映像にもあったが、細胞や液体がじわじわと動く中で予測不能な拡がりをみせる様がまさにSYMBOL-ISMそのものに重なると感じた。
踊るだけでなく多方面で様々な活動をするSYMBOL-ISM。
今後も彼らの自然体な“表現”に期待したい。