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80年代ポップスター健在

ライオネル・リッチーとシンディ・ローパー。

1980年代のポップス界を代表する2人が、元気に活動を続けている。80年代はテレビでも海外の音楽ビデオが頻繁に放送された。日本のお茶の間でも人気者だった2人の今を追った。

○ライオネル・リッチー…27年ぶり日本ライブ

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3月31日、東京・日本武道館で行われた公演では、「ハロー」「セイ・ユー、セイ・ミー」といった80年代の大ヒット曲が次々と繰り出され、聴き手をタイムスリップの旅にいざなった。ギャグを交えながらの進行も楽しい。ダイアナ・ロスとのデュエット曲として知られる「エンドレス・ラヴ」では「彼女に断られちゃった」としながら、聴衆にロスのパートを歌わせた。
「ダンシング・オン・ザ・シーリング」では、80年代を代表するヒット曲の一つ、ヴァン・ヘイレンの「ジャンプ」を思わせるフレーズも飛び出す。最後を締めるのはマイケル・ジャクソンら当時の売れっ子たちがこぞって参加したチャリティー・シングルの「ウィ・アー・ザ・ワールド」だった。85年の大ヒット曲。会場には笑顔があふれ、誰もが納得したエンディングだった。

 日本でのライブこそ27年ぶりと久々だが、2012年のアルバム「ベスト・デュエット~タスキーギ」(ユニバーサル)は、全米ヒットチャート1位を記録している。自身のヒット曲にカントリー調のアレンジを施し、大御所歌手のウィリー・ネルソンらとのデュエットで聴かせる作品だ。

○シンディ・ローパー…デビュー・アルバム30周年記念盤

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親日家として知られ、東日本大震災直後にも、日本でコンサートを行った。1983年のデビュー・アルバム「シーズ・ソー・アンユージュアル」の30周年記念盤(ソニー)が、4月に発売された。「試行錯誤した様子を知ってほしい」として、デモ音源も収録。また、制作秘話を本人が語ったDVDも付いている。
 昨夏行われた音楽イベント、サマーソニックでも、同作品の曲を披露。「いい時も悪い時も、ファンはついてきてくれた。彼らへの恩返しね」と振り返る。アルバムには、「女の子だって楽しくやりたいのよ」という率直なメッセージを伝える「ガールズ・ジャスト・ワナ・ハヴ・ファン」や、ジャズ界の巨人、マイルス・デイヴィスもカバーした名曲「タイム・アフター・タイム」が収録されている。カラフルでポップなサウンドは、当時流行のニューウェーブなどの影響を受けているという。

 「とにかく音楽が好き」とジャンルを超越し、チャレンジを続けている。近年はブルースやダンスミュージックに焦点を当てたアルバムを出した。今年のグラミー賞では参加作品が、最優秀ミュージカル・シアター・アルバム賞を獲得しており、人気は健在だ。

元記事 : YOMIURI ONLINE 配信日時 : 2014-05-11 8:00