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ムラサキスポーツ × FOUND NATION

ムラサキスポーツ FOUND NATION

ムラサキスポーツとアスリート契約を交わしたFOUND NATION。その契約後にお互いに新たな展開を語るべくインタービューを行った。ムラサキスポーツからはこの取り組みが行われるまで交渉を続けたマーケティング部営業企画グループより弓木和郎氏、そしてFOUND NATIONからはDRAGON、2GOOが出席。お互いに秘める「プロ」に対する思いを語った。

STAFF
どうもお忙しいところお集り頂きありがとうございました。さて、今回ダンサーとスポンサー契約するにあたってムラサキスポーツは何故、FOUND NATIONを選んだのでしょうか?
弓木
IMG_1347.JPGしょっぱなから核心をついてきますね(笑)ムラサキスポーツは元々しっかりしたリアルなスポーツ、アスリート、アクションスポーツを基軸にしているのですが、最初、ストリートダンスは近そうで遠い存在でした。ストリートダンスって言うのが一般の人から見るとクラブカルチャーだったり遊びととらえる人が多かったと思うんですよ。
STAFF
それからどのように変わったのですか?
弓木
僕のターニングポイントは2年前にDANCE@LIVE FINALを見に行った時でした。縁があって招待されたのですが、実際に僕の目から見たらこれは本当のスポーツだったり、なにかの武道の試合の様に見えたんですね。
ここで頭の中で変化がありました。そこから色々興味があって色んなイベントを観に行った訳なんです。そうした中で今までムラサキスポーツが取り組んできたBMXだったりスケートだったりっていうところに、なにか共通するところがあったと思うんです。
STAFF
その共通点とは?
弓木
ストリートダンスの数多くあるジャンルで一番目に見えて直結するカテゴリーって何だろう?って考えた時に一番、琴線に響いたのがBREAKだったんです。BREAKに関しては見た目もそうだけどすごくスポーツライクでアスリートライクでっていうのが、ものすごい伝わってきて、まずはストリートのスポーツに数多く関わってきたムラサキスポーツとして一発目に取り組むところとして、そこ(BREAK)なんじゃないかな?っていう結論になりました。そしてそこから活躍をしているチームやダンサーを探す作業をしました。
STAFF
なるほど。ちなみにDANCE@LIVEはご存知の通り1 on 1のダンスバトルですが、FOUND NATIONのショーケースは今まで観た事があるのですか?
弓木
あります。弊社の社内イベントというかパーティーでこれも縁があってブッキングさせてもらいました。その時に初めて観ました。
STAFF
では、2GOOとDRAGONの二人はそうしたところでショーケースをしてみてどうでした?
2GOO
IMG_1333.JPGとりあえずどんな現場でもやってやるぜ!!って気持ちでした。
DRAGON
IMG_1323.JPG通常のイベントブッキングだったらまず無い舞台だったので、こういう所だからこそ自分たちを魅せれるな?って可能性もあると思い他には無いチームワークだったりそういうのを観せられるチャンスだと思いました。それでいて結構ゆったりした雰囲気の中で見てくれたので伝えられたかのと思います。
STAFF
そこまで考えていたんだ。ムラサキスポーツはその日にFOUND NATIONのショーケースを初めて観てどうでしたか
弓木
あの時は、実際に僕らはB-BOYって接したことの無い人種だったので、どんなやばい奴らがくるんだろうって思ってました。
踊る前に挨拶をしたときは想像していたよりも、全然物腰柔らかいんで想像と違うなって思いました。それで実際にショーケースが始まってみて、「うわっスゲー」ってなったんですよ。まぁそれで終わって話そうと思って控室に行ったら、すでに練習をはじめていて、これはこの人達はアスリートだなって思いました。
STAFF
終わったら速攻で練習していたんだ?
DRAGON
ははは、いやー喜んで頂きありがとうございます、その時はヘッドスピンをした時にみんな注目してくれていて、やっぱり技とか始まると盛上がりますね。
2GOO
確かに、でもすごい技はそうやって盛上がるんだけど、やっぱり技だけじゃないってことも知ってほしいですね。
DRAGON
そうだね。一番大事なところだね。やっぱりブレイクダンスって技だけだとダンスじゃないんじゃないかって言われがちなんですけど、そうゆう意味では今の時代はブレイクダンスって技もあり、ダンスもありで「今と昔では違うんだよ」って所をみせたいですね。ダンスって色んな可能性がいっぱいあるんだよ…っていう。
STAFF
なるほどね。それではムラサキスポーツが今後のFOUND NATIONに一番期待していると事とは何ですか?
弓木
ムラサキスポーツはストリートダンスっていう僕らにとっては新しい業界に参入したのですが、実際にそのムラサキスポーツはFOUND NATIONを通して「リアルなダンスを応援していく」っていうスタンスでダンスに関わって行くつもりなので。そう言った意味だとFOUND NATIONを通じて「リアル」ってトコにこだわりたいです。
STAFF
逆にFOUND NATIONがムラサキスポーツに期待することって何ですか?
DRAGON
日本のダンスシーンで企業がサポートしてくれるって多分初めてだと思うんですよ。プロとしての扱いで。他国では例えば韓国だったりフランスだったりとかは企業だったりのバックサポートが大きいんですよね。
日本はまだそういった部分が確立されていなかったので、ブレイクダンスのチームとして、自分たちは力は持っていても海外に比べて相対的に、なかなか結果に残せなかったりするんですよ。
なので今後ムラサキスポーツさんとFOUND NATIONで日本のダンスシーンに対してもっと良いものを発信していけるんじゃないかなと思います。
日本のダンサーとしてもっと攻めることができればどんどん大きくなって、色んなダンサーも世界で食っていけるようになるなと思います。
まだ自分たちでも何が出来るか正直分からないですが可能性はいっぱいあるので自分達が思っていた事が可能になるって言うだけでワクワクしてきますね。
2GOO
自分は、こういう風にダンサーがスポンサー契約することって日本初だと思うんですけど、サポートしてもらえるって意味では色々な所を回りたいですね。全国各地でダンスを教えたりとかしたいです。
STAFF
現在の周りのリアクションとかはどう?
DRAGON
みんなびっくりしますね。周りの同じキャリアのダンサー達も「ムラサキスポーツがスポンサーになったの?!すごいね!」って言ってくれますね。この前イベントに行ったときも、知り合いも全く知り合いじゃない人にもみんなにいわれます。それぐらいみんな注目していて、多分これからは「あのチームみたいに頑張れば自分達もそういう可能性が出てくるんだ」って思ってくれると思うんです。
ダンスを毎日練習するにあたって今までは社会的な部分、金銭面でも先が見えなかったのでやっとそういった可能性が一つ広がったかなと思います。これで個人としてサポート、チームとしてサポートと色々な働きがあってダンスシーンがもっと良い方向になっていくと思います。
STAFF
そうだね。そうやって実際に周りの人にすごいね(スポンサー契約したことに関して)って言われることに対してはどう応えるの?
2GOO
頑張ります!!って(笑)
STAFF
ムラサキスポーツでプロ契約でサポートしているアスリートは何人もいると思うんですけど、一番最初ってどれくらい前なんですか?
弓木
だいぶ前ですね。20年以上前です。
STAFF
これは企業の文化と言えますね。
弓木
海外では僕らがサポートしているカテゴリーのカルチャーは、ブランドから自分のモデル、オリジナルのデッキが出ると一流とされていますからね。例えば今後は僕らもブランドに働きかけてDRAGONモデルや2GOOモデルのグッズとかが出て、FOUND NATIONが活躍をしてかっこいい!!ってなってたくさんの人が欲しがる。そういうふうになれば理想ですね。
STAFF
確かにそう思います。では今回FOUND NATION以外にもイブキとユメキといってキッズダンサーが入っているのですが今回契約した人って言うのは比較的20代以下で青少年ってところに注目されているとは思うのですが、ムラサキスポーツとしてどのような世代に注目していきたいですか?
弓木
難しいですね。例えばサーフィンの場合は一家に一台のサーフボードって言うのが当たり前になるように…って、言わば、子供からおじいちゃんまでサーフィンやろうよ!って提案したくて、それで実際そういったお店ってあるのかなって考えて店作りをしたのが原点な気がするんですよ。
ムラサキスポーツではリアルなことを教えながらプロでも一般の方でも来れる敷居の低いプロショップを目指そうよっていうがあるんですね。
STAFF
なるほど。
弓木
だからこそ一般向け且つコアな。それを突き詰めるとダンスっていうものも「遊び」って言う面と、「真剣勝負」という面の両方を持つので、ムラサキスポーツ的には、ストリートダンスをストリートカルチャーとしてもスポーツとしても、もっと広い世界に広めていくっていう使命はあります。
STAFF
つまりはジェネレーションと言うよりも、カルチャーで活躍をする人たち皆ってことですね。
弓木
ええ。もちろん今回の契約は仮にイブキやユメキに関しても今年一年を応援して、仮に今年の成績悪いからって、契約を無くすって言うのは嫌なんですよ。一緒に頑張ろうって感じでやっていき、育っていってこの子達が大人になった時まで活躍してもらいたいです。FOUND NATIONの場合も同様で、DRAGONとか2GOOとかが怪我したり30代後半とかになって、例えば10年後も付き合いがあって、前線で踊るのが厳しい状態になってもムラサキスポーツが新しい展開をしていく上でのアドバイザーになってもらったり、そういった展望もあります。
STAFF
これはすごいことですね。サポートする上での選定基準っていうのあるんですか?
弓木
やっぱり人柄はかなり大事ですね。
STAFF
ただ実力があるだけじゃ駄目だと?
弓木
そうです。ライダーとかでもそうですけど契約している人に悪い奴は1人もいないんです。
だから実際に初めてみんなとあった時にすごく良い奴らそうで人間味もあってちょっとびっくりしました。
アノマリーの人が紹介してくれたから大丈夫だとは思っていましたが、最初は怖い奴らなんじゃないかなと疑ってしまいました。
2GOO
やっぱりそう見えるんですねー。ダンサーって。
弓木
GROOVIN/SLASHのHiRO君に会った時も見た目はすごく怖そうだなと思ったのですが、話してみたらすごくいい人だったりとか(笑)
2GOO
ははは!北海道のアライブで一緒だったんですけどいい奴でした!
弓木
実際に看板を背負って闘っているっていうのもあってみんなにダンスを広めていってもらうって考えた時に、やっぱりFOUND NATIONをみて次にムラサキスポーツがあるじゃないですか。ブランドイメージを拡げるにあたりその時に一番重要なのが人なんですね。
DRAGON
この前踊った時に紹介して頂いた方いるじゃないですか。
弓木
専務ですね。
DRAGON
なんかその時に君を見ていて悪い気はしないよと言われましたね。
一同
DRAGON
その時は不思議なこと言うなと思っていたのですが、今話を聞いてあの時から人柄を見ていたんだと思いました。
弓木
そうなんですよ。昔は実力重視することが多かったのですが、今も実力が大事なのはに変わりはないのですが長い目で見ていくと人対人なので人柄がよくてその上で実力をみせてくれるのが理想ですね。その一瞬の宣伝効果より長い目でみていこうっていう。
DRAGON
嬉しいです。僕たちも将来の展望があるんです。
STAFF
それはなんですか?
DRAGON
僕たちもよく話したりするのですがブレイクダンスのチームって入れ替わりが激しくて、今活躍しているチームも一年後にはいなくなったりしてしまったりして、やっぱり激しい動きなので怪我で出来なくなってしまったり、自分も18歳から踊っていてもう28歳になったんですが、やはり何らかの意思の違いや、怪我なんかでチームがなくなっていくのが嫌なんですよ。
STAFF
確かに特にB-BOYはユニットで活躍をするケースも多いよね。
DRAGON
今だったらイッセイっていう中学二年生の子がFOUND NATIONにいたり、生徒でも小学校低学年の子達が生徒でもいてそういった子達がいずれFOUND NATIONに入ってきてくれると嬉しいです。そういう流れは脈々と作り上げるべきだと思うんです。
STAFF
うん、それはチームというものに重みと深みが出るよね。
DRAGON
ええ、仮に自分が50歳になった時に、FOUND NATIONのOBやOGと現役とかで一緒にバトルとかでれたらすごいかっこいいなと思いますね。例え自分が出ていなくても自分がやっていた動きをやってくれていたりしたら「自分の動きはまだ生きている!」って思えますし、そんなことが何十年も続く…そういうのを目指していきたいです。
STAFF
今後FOUND NATIONを目指す人が増えると思うんだけど、その上でも色々な人が見ているからダンスも当然上手くなければ行けないし、人柄だったりも見られるだろうから今後のFOUND NATIONの責任は重いですね。
DRAGON2GOO
重いですね(笑)
弓木
そういう意味ではすごくプレッシャーをかけるようだけど良くもなるも悪くなるもFOUND NATIONにかかっているからね。FOUND NATION次第でうちのイメージも変化していくだろうから。でも逆に言えばそんな大役をムラサキスポーツはFOUND NATIONに任せているってことだから。
DRAGON2GOO
はい、一緒に頑張っていきましょう!
弓木
こちらこそ宜しくお願いします!
STAFF
ムラサキスポーツは具体的に今後はどのような展開をしていくのですか?
弓木
ダンス関連の商品をまずは考えます。スニーカーだったり、アパレルだったり、ダンサーの為になるものをどんどん考えだしたいです。
ただ、商品に関してダンスのイメージを作って売ればすぐ売れるなんてそんな甘いものではないし、サーフィンにしてもすごい投資していてやっと見えたものなんですよ。だからまずは時間も投資してイメージをどんどん作っていって土台作りをしていきたいです。
2GOO
ダンスも一緒ですね。ちゃんと基礎ができていなくて派手な技をやっているだけで踊れない子がいっぱいいますからね。土台がないとすぐ倒れちゃいますからそうならないようしていきたいです。
STAFF
具体的に売り場が出来る時期って言うのは?
弓木
九州地域から始まってきてます。これからどんどん広がると思います。
STAFF
最後にFOUND NATIONの今後の予定を
DRAGON
UK B-BOY CHAMPIONSHIPとFREE STYLE SESSION JAPANその後にはBATLLE OF THE YEARです。そこの予選ががあるんですけどそれに優勝出来るとか世界大会に繋がるんですよ。ブレイクダンスのオリンピックみたいな感じですね。
STAFF
チャレンジしがいがある大会が続くね!頑張ってください。今日はどうもありがとうございました。
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