今やテレビ番組、CM等で見るのも珍しくない口で音を奏でるヒューマンビートボックス!!そのヒューマンビートボックス界を牽引する一人の男が日本ヒューマンビートボックス協会を立ち上げた。日本ヒューマンビートボックス協会の活動とは何なのか、ビートボクサーとダンサーの繋がりとは?日本ヒューマンビートボックス協会代表理事のビートボクサーTASUYA(人ISM)が語る。
- STAFF
- ビートボックスを始めたきっかけを教えて下さい。
- TATSUYA
- ちょうど20歳の時に服飾の専門学校通っていて、その時に何か自分発信で表現出来ないかなと思っていて、たまたま出会ったのがビートボックスだったんです。それでこれしかないなって思いましたね。
- STAFF
- 誰かのビートボックスを見てとかではないんですか?
- TATSUYA
- あ、でものその時に出会ったのがHOVAというビートボクサーです。初めてパフォーマンスを見た時は衝撃的でした…今はBeat Box Cafeって言うダイニングバーの経営をされています。
- STAFF
- 現在日本にビートボクサーの人口は何人ぐらいいるんですか?
- TATSUYA
- そうですね。結構家でYouTubeとかを見て練習していて、現場には出てきていないネットビートボクサーみたいな人達もいるので正確にはわからないですが、YouTubeでもここ数年でアップロード数が増えていたり、協会が主催しているJapanBeatboxChampionshipっていう日本一を決める大会のエントリーも年々増えていて、毎年100人以上のエントリーがあり、キャンセル待ちになっている状態ですね。
- STAFF
- ネットビートボクサーっていうのがいるんですね。確かにダンスでも割とB-BOYなんかはそういった類いの人も多いかも。JapanBeatboxChampionshipのエントリーは100人限定なんですか?
- TATSUYA
- 大会のエントリー枠はソロが70人とチームの方が5チームにしています。
- STAFF
- なるほど。それで年々増え続けていっているというわけなんですね。
では、日本ヒューマンビートボックス協会を作ったきっかけを教えて下さい。
- TATSUYA
- 自分自身がプレイヤーとしてドイツとロンドンの世界大会に出た時に始めて海外のビートボックスシーンの流れを感じたんです。特にヨーロッパって国々がくっついるからコミュ二ケーションがとりやすくて、国同士が一体となってシーンを盛り上げています。そこに日本人がポッと入った時に日本だけ取り残されているなーって感じたんです。でも決して仲間はずれにされたりした訳ではなくて、むしろ歓迎してくれました。その時に『世界と繋がりたい』というか、『繋がらなきゃいけない』ってある意味責任感みたいなものが生まれました。それから何が一番良いのか必死で考えて『協会』という答えにたどり着きました。
- STAFF
- そうなんですね。協会を作る上でビートボックスをTATSUYA君より前にやっていた人達からは何か言われたりしなかったですか?
- TATSUYA
- 言われたというか、リスペクトしてる気持ちが上手く先輩方に伝えられず一度喝を入れていただいたことはあります。やっぱりどんなシーンでも一緒だと思うんですが、今まで必死にそのシーンを築き上げてきた人達にとって自分達より下の世代が新しいことを勢い良くやりだした時にそれが全く違う方向に進んでたとしたら凄く悲しいですよね。シーンを築くってことはその分自分を犠牲にしなきゃいけなくて、言葉では凄く簡単だけどメチャメチャ大変なことなんですよね。先輩たちが戦ってきてくれたから今自分たちがBEATBOXをやっていられるわけで、決して自分一人だけの力だけじゃないと思います。それは僕だけじゃなくて全てのビートボクサーに言えること。だから常にリスペクトする気持ち を持った上で行動する、それがシーンが一体となって盛り上げる為に必要な事なんです。自分が今の立場になって、その事の大切さを改めて実感しています。同時に、支えていただいてる先輩方や協力してくれている全ての方に感謝しています。
- STAFF
- シーンが一つになっているのはすごく良いことですね。ちなみに、協会の現在の主な活動内容は何ですか?
- TATSUYA
- 協会のホームページ等を見て、協会に来たビートボクサーへの依頼に対して適切なパフォーマーを提案すること。公式な日本一を決めるイベント「JapanBeatboxChampionship」を主催すること。その他、ビートボックスの普及に繋がる企画やサポートをしています。
- STAFF
- この前、人ISM (ヒューマニズム:ビートボックスチーム)の映像を見ましたけど相当マニアックな感じでしたね。
- TATSUYA
- そうですね(笑)最近DJ MIX的なショーケースが主流なんですが、僕らはもっと一つの作品として見せたかったんです。例えば美術館に行くと特に説明もなしに絵が飾ってありますよね?同じ絵なのに人それぞれ見方によって感じ方が違って、でもどれも間違いじゃない。それと同じで、このショーもあなたはどう感じましたか?的な問いかける作品にしたかったんです。
- STAFF
- なるほど。あのショーケースは海外での反応はどうでした?
- TATSUYA
- ありがたいことに、たくさんの評価を頂いています。国にもよりますがヨーロッパ、特にフランスなどは芸術的志向が強いからなのか、評価が高いみたいですね。
- STAFF
- 今後のビートボクサーとしての活動目標は何ですか?
- TATSUYA
- 協会としての活動だけでなく、プレイヤーとしてもどんどん活動していきたいです。世界にもっと出て行こうっていうのがありますね。世界と自分が繋がることによって若いビートボクサーとかが大会に出られるチャンスにもなると思うので、その為にも世界と闘っていくっていうのがありますね。
- STAFF
- 日本のシーンが世界へと進出したら、ビートボックスの活躍する場が増えそうですね。日本の技術は、世界と比べるとどのくらいのレベルですか?
- TATSUYA
- この前ビートボックスの世界大会があってソロ部門の方で妖怪うらに洗いという日本のビートボクサーが始めてベスト16に入ったのですが、世界各国のCHAMPIONが100人近く集まってるなかでのベスト16なので快挙達成というくらいすごいことなんです。でも、そういう意味ではかなり日本自体のレベルは上がってきてはいますがまだまだ世界トップレベルとは言えませんね。
- STAFF
- そうなんですね。この映像を見るとビートボックス自体もかなり進化しているように見えますね。
- TATSUYA
- はい。ビートボックスもダンスと同じでオールドスクールだったりニュースクールだったりと様々な形でかなり進化していて、選曲も元々はHIP HOPメインだったのですが今はDUB STEPだったりELECTROといった音楽だったりも口で表現するようになってきました。今ではBEATBOXにしかできない表現を追求したり、全く新しい音楽のスタイルを確率しつつあります。
- STAFF
- では、既存の曲をやるより斬新なことをやった方が受けるかもしれないですね。そういった意味では人ISMはすごく斬新でしたね!
- TATSUYA
- そうかもしれないですね!
- STAFF
- ダンスとビートボックスのつながりについてはどう思いますか?
- TATSUYA
- これはあくまで自分の考え方なのですが、ビートボックスもダンスも、グラフィティとかも全部自分のことを表現する手段、手法でしかないと思っていて、ダンスとビートボックスの大きな違いは聴覚的な表現か視覚的な表現かということだと思います。もうすでにビートボックスとダンスは深いつながりになってきていて、ビートボックスで踊るショーケースは増えてきていますよね。僕自身色々なイベントでダンサーとのフリーセッションをやったり、この前のDANCE@HERO JAPAN 3rd SEASON ROUND2のTOKYO BEAT SURFのDANCE@TV放送時には音の差し替えをさせてもらったりしましたが、様々な形での繋がり方があります。
- STAFF
- そうですね。最近でもDANCE@LIVE SEASON7 FINALでBeat Buddy BoiがFOLF:LOREとショーケースをやっていたりもしてましたね。
では、TATSUYA君がビートボックスとダンスで考えていることってありますか?
- TATSUYA
- 今ちょっと考えているのはビートボクサー1人とダンサー1人がペアになってバトルするイベントが出来ないかなって思ってます。ビートボックスとダンスで即興で相手の音と動きを返したりとか面白そうですよね。普通のダンスバトルだとDJの選曲だからそういったことは出来ないのでまた新しい盛り上がりになるかなと思います。
- STAFF
- 面白そうですね。そうなるとお互いダンサー選び、ビートボクサー選びも重要になりそうですね。
- TATSUYA
- はい。なのでビートボクサーとダンサーの交流会があっても良いかもしれないですね。
- STAFF
- では最後に一言お願いします。
- TATSUYA
- そうですね。今ネット社会の中で本当に良いものが何なのか、情報が錯乱していてわけが分からなくなっています。そんな中でBEATBOXのシーンが一つになって何があってもブレない軸を作り、本当に良いものを日本から世界へ発信していきたいと思っています。その為にビートボクサーやBEATBOXに関わる全ての方々の力が必要です。このシーンの未来の為に人生懸けて努力していきますので、これからもご協力よろしくお願い致します。
- STAFF
- ありがとうございました!
日本ヒューマンビートボックス協会ホームページはこちら!
↓
http://www.japanbeatbox.com/