音楽チャートにおける権威のひとつといえる米Billboard誌によるBillboardチャート。近年は特に、音楽業界の構造変化や音楽との関わり方の変化などを受けて、YouTubeの再生回数をいわゆる「全米チャート」であるシングル総合チャートの「Hot 100」などに反映させるといったチャート・ポリシーの変更が話題になるが、今度はTwitter社と提携し、Twitter上で話題になっている曲が何なのかをランキングにした新チャートを創設することを発表した。
Billboardは、昨年1月には近年アメリカで拡大を続けているエレクトロ・ダンス系の音楽、いわゆるEDM(Electronic Dance Music)の隆盛を受けて、新たに「Dance/Electronic Songs」チャートを立ち上げたり、昨年2月には、いまや音楽を聴くポピュラーな手段のひとつとなったYouTubeの再生回数をBillboardチャートに反映させる方針に変更したりと、時代に即したチャート作りに動いている。ソーシャルネットワーク関連では、SNSのフォロワー数/フレンド数の増減や、ストリーミング・サイトでの再生数から「話題の人」をランク付けする「Social 50」チャートを2010年12月からスタートさせており、2012年にはInstagramやSoundcloudのフォロワー数も反映されるよう変更されている。
そして今度は、「Twitterで話題になっている曲」をランキングにするという。米時間で27日、BillboardはTwitter社と数年間におよぶ契約を結んだことを発表。この提携により、数週間以内に「Twitter Real-Time」チャートが新設される。ランキングの結果は、週に一度発表されるほかのチャートとは異なり、Billboard.comもしくはTwitterの公式アカウント @billboardにて週に数回発表されることになるとか。Twitter社の音楽事業のトップは、「日々、Twitterでは新曲や新人がブレイクしている。我々はBillboardと組み、リアルタイムで音楽についてのやりとりを分析してチャートにする。つまり、アーティストがTwitterで曲をシェアし、オーディエンスを獲得したら、そこで起こったバズが、リアルタイムで目に見える形になるわけだ」と説明している。
昨年2月にYouTubeのビデオ再生回数が反映された際は、世界中で「“Harlem Shake”で踊ってみた」ビデオを作るブームを受けてブルックリンの新鋭プロデューサー、バウアー(Baauer)の“Harlem Shake”が初登場で1位になったが、今回新設される「Twitter Real-Time」チャートが音楽シーンにどのような影響を与えることになるのか、注目されるところ。なおTwitter社は、昨年春に開始した音楽アプリ「Twitter #Music」を終了することを先日発表したばかり。
元記事 : bmr 配信日時 : 2014-03-28 22:50