ダンスクラブ業界にとっては、歴史的な1日だった。大阪の老舗クラブの元経営者が風俗営業法違反罪に問われた事件で、大阪地裁は4月25日、無罪を言い渡した(大阪地検は5月7日に大阪高裁に控訴)。ダンス規制緩和への追い風になるとみられるが、業界でも地域や社会との共存を目指し、地道な草の根活動が行なわれている。
5月3日、日本のクラブ文化の発展を願う関係者らが「3都市同時クリーンアップ・プロジェクト」を開催。ダンスクラブが多く集まる、東京(円山町)・大阪(アメリカ村)・福岡(親富考通り)で同じ日に地域の清掃活動を行なった。クラブ文化のイメージ向上、周辺地域との共存を目指し、同活動を日本中に広げていくためのもの。
福岡では、2012年10月に発足した「福岡クラブカルチャー向上委員会」(事務局、大橋護氏)のメンバーを中心に、クラブ経営者、DJ、従業員、さらにはクラブ客らも駆け付け、15名が集まり、親富孝通りの清掃を行なった。約1時間で、ゴミ袋3、4袋分のゴミが集まった。近隣住民からは「いつもご苦労様です」とねぎらいを受けたり、歩行者から「何の集まりですか」と尋ねられる場面もあった。参加者からは「はじめは同委員会の思いに賛同して、参加したが、今は街がきれいになっていくのも気持ちがいい」との声も聞かれた。
同委員会では発足時から、毎月1度の清掃活動を行なっているが、東京からの「全国に活動を広げたい」との呼びかけに応じるかたちで、今回は3都市同時で開催することとなった。同委員会の大橋氏は「日本全国に活動が広まることはすばらしいこと」と述べたうえで、「クラブで音楽を楽しんだり、踊ったりする自由を守るためにも、公共のマナーはしっかりと守ってほしい」と話した。
元記事 : NET IB NEWS 配信日時 : 2014-5-12 11:20