2012年1月29日、アメリカのロスアンゼルスで世界一のコレオグラファーを決定するコレオグラフコンテスト「VIBE」が開催された。
そしてその大会でダンサーであるKAORIが日本人で初めて3位に表彰されるという快挙があった。
その快挙から3ヶ月後、その快挙を凱旋するかのごとく「DEVELO DIP APARTMENT」が開催される。
今回は前回のGUCCHONのインタビューに引き続きKAORIさんへのインタビュー。
インタビュワー:以下I
VIBE DANCE COMPETITION vol.17 三位入賞おめでとうございます。日本人としては初の入賞という事なのですが、今回、このVIBE DANCE COMPETITIONに参加しようと思ったキッカケがあれば教えてください。
KAORI:以下K
昨年の七月に、ストリートダンス界の日本一の振付師を決める大会(LEGEND TOKYO)があり、VIBEのオーガナイザーのジェイソン・パーク(Jason Park)が審査員の一人だったんですね。彼が審査員賞に私の作品を選んでくれて、その後VIBEへの出演依頼がありました。私自身、VIBEをYouTubeで何回も見ていて、有名なコレオグラファーやダンサーが沢山出ている、私にとっては憧れのコンテストだったので、出演にあたっての答えは即答で“YES!”でした。
I まさにアウェーだったと聞いていますが、イベント前とイベント後で観客の反応はかわっていましたか?
K 全く違いましたね(笑)まず会場入りした時は、何て言うんだろう・・・反応というのが0%でした(笑)。そしてリハーサル終わりで40%くらいに反応が増えて、本番が終わったら90%の人達が声をかけたり、握手を求めてくれたり、一緒に写真を撮ったりしてくれました。あと言葉でもたくさん伝えてくれました。帰りの駐車場でも私達が車に荷物を入れて帰ろうとすると、わざわざ車を停止させ窓を開けて感想を伝えてくれたり、完全に会場を出るまでは、全員と言っても過言ではないくらい、みんなが讃えてくれました。
I それは見事な逆転ですよね。そういう話は聞いていてすごくこちらも嬉しいです。そして、この「VIBE」終了後には海外での活動オファーも来たそうですね。
K そうなんです。
I できればアメリカでの活動予定を教えてください。
K 具体的にはまだ決まっていないんですが、審査員の中にサンディエゴでカンパニーを持ってる人がいて「こっちに来ないか?」と言ってくれたり、会場の責任者の方から連絡等ありました。
毎年必ず一回はアメリカに行っているので、今後はこのことをきっかけにアメリカで活動出来たらなと考えています。
I 楽しみですね!そういえば、もうすぐ前回のGUCCHONさんのインタビューでも話題にありましたが、「DEVELO DIP APARTMENT」の公演開催が間近ですね。 今回もGUCCHONさん同様、中心として活躍されているとのことですが、間近に控えての今のお気持ちは?
K 本当にドキドキです。 どんな化学反応が起きるのか私自身も正直わかりません(笑)それぞれの表現者の生き様が編み込まれていると思います。
I 今回、VIBEに参加された事がこの舞台の演出にどういう影響がありますか? また、ご自身が出演されるパートについて、何かよい影響がありますか?
K VIBEに参加して影響を受けたというより、逆に日本人の持っている繊細な部分や、間の使い方、動きの質の良さ等、海外に出て、改めて感じる事が出来ました。そこを上手く今回の私のパートの中で表現出来たらなと思います。
I なるほど、では普段のダンサーとしての生活において、振り付けや演出を考える上で大切なものはありますか?
K そうですね、バランスですね。
あと観る人の心のバロメーターは強く意識して(振り付けなど)つくったりはします。
当然のことながら、見る人は生きていて、私も生きていて、普段からいろんな事に心を動かしてると思います。
心の動きを大切にしながら、作品をつくるようにしています。
I ダンサーかつコレオグラファーという面をもつKAORIさんならではの意見ですね。確かに、ストリートダンスのショウはまだ未成熟な面もありますが、こうした意識は非常に大事だと思います。
K ありがとうございます。
I もうひとつ突っ込んだご質問なのですが、普段インスパイアされるクリエイティブで、例えば、どういう映画や本が好きですか?そして、そういったものがご自身の創作に影響する事はありますか?
K そうした面で言うならば、そうですね、映画なんかは、ホラー以外なら映画全般好きですよ。特に最近観た映画なら「Pina(2009年に急逝した天才舞踊家ピナ・バウシュのドキュメンタリー)」がお勧めです。
ストリートダンスと全く違うジャンルですが、 ダンスで表現する。そして表現は自由である事を感じれるはずです。
私は帰宅してからもまだ何とも言えない優しい気持ちで一杯になりました。
その気持ちを家に持ち帰ってました。(笑)完全に心奪われましたね。私もそんな作品を創りたいですね。
I なるほど。これもDEVELO DIP APARTMENTに良い影響を与えているという事なのでしょうか。最後に一言。
K 今回のような公演は、なかなか他では見れないと思います。
私たちもみんな新しいことにチャレンジする形になり、普段とは違う顔を見せると思います。
まさに私たちの部屋の中の顔ですね。
共演者はみんな凄く才能があふれていて、私自身、共演者の多才ぶりには何回も驚かされました。
実は、リハーサルも個別でそれぞれ部屋の中状態なので、完全にすべてを見ていないパートがあるんです。
もうすぐ劇場入りなので、すべてが見れるのが楽しみです。
そして、みなさんも楽しみにしていてください!
I 私もすごく楽しみにしています。また、このDEVELO DIP APARTMENTが本当のオフブロードウェイや海外で公演される日なんかも期待してます。ありがとうございました!
【特報】3/30~4/1の全公演の当日券もあります。受付で「DANCE@WEBを見た!」と言うと、前売り料金で当日入場券を購入できます。
===DEVELO DIP APARTMENTとは?===
2012年春。それぞれのシーンで飛躍的な活躍を遂げる豪華かつ異色メンバーで贈るダンス公演。
1公演わずか200席というマンハッタンでは主流のオフ・ブロードウェイ・サイズの劇場で行われるパフォーマンス。それはまさにアートとして観客とのコミュニケーションの空間を大切にする「本場」の空気を日本で再現しようとする試みだ。
POP,LOCK,JAZZ,BREAK,HIP HOP,HUMAN BEATBOX,VIOLIN,PIANO….職人技とも呼ぶべき「匠の技」を持った9人の屈指の出演者で贈る今回の舞台、それがDVELO DIP APARTMEENTだ。ここでしか見ることのできない異空間と、異表現を存分に楽しんでほしい。1つのマンションの9つの部屋。6人のダンサーと3人のミュージシャンが奏でる”最高の夜”が実現されることは間違いがない。
===公演概要===
★出演者
GUCCHON (Co-thkoo / FAB 5 BOOGZ)
oSaam (sucreamgoodman)
KAORI (ALIVE)
REI (GOGO BROTHERS)
KAKU (MORTAL COMBAT)
CRAZY SHIZUKA (CRAZY BOMB / Ms.Match / Ms.Creative) KAZ (BEATSICK.JP / KAZ BAND) nanaco (とろけるちくわ部)
T.ICHINOHE (OO / KAZ BAND)
★チケット料金
指定席:前売り3500円/当日4000円
スタンディング:前売り2500円/当日3000円
フライデーチケット:前売り2500円/当日 3000円
※別途ドリンク代500円が必要です。
※フライデーチケットは 3/30(金)公演のみ有効。指定席スタンディング共に2500円です。
★ホームページ
http://box-office.jp/dda
★公演日程
2012年3月30日-4月1日
全5回公演
主催:ボックスオフィッスドットジェイピー
構成・演出:コトバタクミ
後援:ADHIP
協賛:STUDIO Ash , STUDIO DANCE ALIVE
GO GO BROTHERS DANCE STUDIO
協力:SDM, 世界館,FRESH DANCE STUDIO
チケット取扱いは協賛スタジオもしくは出演メンバーまで。