剛力彩芽のデビュー・シングル『友達より大事な人』のYouTube動画再生回数が1000万回を突破したことは既報の通り。そんな彼女の“プロも太鼓判を捺すダンス”がJPOPシーンへ徐々に影響を与え始めている。
デビュー直後からドラマや映画、CMに引っ張りだこで、ネットユーザーからの“ゴリ押しアイドル”と批判が相次ぐさなかでの歌手デビューとなったが、『友達より大事な人』のミュージック・ビデオで披露されたダンスそのものに対する批判はほとんど見られることはなかった。
「彼女はとても努力家なんです。デビュー曲のミュージック・ビデオの撮影時には、担当した振付師に自らアイディアを提案して、実際にそれが採用されました。バックダンサーはTRFのSAMさんのダンススクールのスクール生なのですが、彼らとも綿密な打ち合わせをしていたくらい、ダンスに対する意識はすごく高い。実際に一緒に踊ったスクール生は“スキルが尋常じゃない”とびっくりしていたほどで、先日出演した『a-nation』では剛力のパフォーマンスをSAMさんがしっかり見ていた、という話も話題にあがりました」(音楽関係者)
念願の歌手デビューを飾り、『友達より大事な人』を歌番組で披露した際、「声が震えている」「生歌ヒドすぎ」など否定的な意見が集まった。しかし彼女はそれすら逆手に取り、その歌番組出演後の各メディアでのインタビューでは「反省すべき点」として自ら語ることも多かったというが、ダンスそのものへの情熱は誰にも負けないようだ。
剛力彩芽をはじめ、AKB48やモーニング娘。など、いまや“歌って踊れるアイドル”の文化は当たり前で、それは海外のアイドル・シーンにも同様のことが言える。いまなお活躍するブリトニー・スピアーズやクリスティーナ・アギレラ、新世代のアイドル・シンガーと言われるセレーナ・ゴメスやアリアナ・グランデもその筆頭格と言えるが、こと日本と海外ではリズムに対する意識の違いは歴然としている。
「例えば一昔前では、ブリトニー・スピアーズをザ・ネプチューンズ(ファレル・ウィリアムス&チャド・ヒューゴ)がプロデュースしたり、クリスティーナ・アギレラにDJプレミア(ギャングスター)が楽曲を提供したりするなど、海外のアイドルの場合は楽曲を手掛けるプロデューサーも大きなトピックのひとつに挙がりますが、日本のアイドルの場合はプロデューサーの話題が先行することはあまり多くありません。日本の場合、歌唱力やダンスのスキルよりもアイドル性を重視しているからだと思いますが、もし海外のように本格的なダンス・サウンドに挑めば、面白い化学変化が生まれるのではないでしょうか」(音楽ライター)
そこに白羽の矢が立てられているのが剛力彩芽だ。ビヨンセの振付をはじめ、世界的に活躍するコレオグラファー、シェリル・ムラカミが「彩芽は演技ができて、踊れて、歌える、三拍子そろった才能の塊」と絶賛するように(シェリルはNHK『輝く女』で剛力にダンスを指導している)、彼女に期待を寄せる業界関係者は多い。多忙を極めるなか、セカンド・シングル、そしてデビュー・アルバムの制作へも着手していると言われる剛力彩芽。その中には日本のアイドル文化、引いてはJPOPシーンを一変させてしまう要素が潜んでいるのかもしれない。
(文=佐藤公郎)
元記事 : live door NEWS 配信日時 : 2013-11-24 09:11