スポットライトを浴びながら、車輪を巧みに操って前後に動いたり、華麗なターンを見せたり。健常者のパートナー家常敦史さん(34)と林佐恵さんの2人でスタンダード部門の頂点に輝いた。
小学1年の頃から原因不明の病で次第に両脚が動かなくなり、4年から車いす生活に。そんな日々が一転したのは33歳の時。知人に誘われた車いすダンスの発表会を見て、「魔法にかけられたように、体がリズムを刻んでいた」。
ひじ掛けのないダンス専用の車いすを使い、健常者同士の社交ダンスと同じようにワルツやタンゴを踊る。「息が合うと、自分と車いすとパートナーが一体になった感じがする。世界を開いてくれる乗り物」と笑う。
両親は他界し、奈良県で姉夫婦と暮らす。会社勤めの傍ら、同じ境遇の子供たちにダンスの素晴らしさを伝える市民団体の活動にも力を入れる。
車いすダンスは、10月に韓国で開かれるパラリンピック・アジア大会で正式種目に採用された。「障害がある、ないにかかわらず、見た人に『私もしたい』と思ってもらえるダンスができたら最高」。新たな舞台を目指す。
元記事 : ヨミドクター 配信日時 : 2014-02-11