バークリー音楽院在学中にはシー・ロー(Cee Lo)やスラム・ヴィレッジ(Slum Village)といったヒップホップ・アクトのツアーで演奏を経験し、卒業後もボストンを拠点に活動している天才日本人プロデューサー/マルチ・インストゥルメンタリストによるソロ・プロジェクト=monolog(モノログ)が、ニュー・アルバム『14 Beats N’ Rhymes』が14日、発売になった。
monologは、バークリー音楽院を卒業し、ボストンを拠点に活動している天才日本人プロデューサー/マルチ・インストゥルメンタリストのYUKI KANESAKAが「たった1人ですべての楽器をこなし音楽を構築する」という趣旨でスタートさせたソロ・プロジェクト。彼は、The Source誌主催の〈National Rap Music Competition〉で期待の新進プロデューサーとして優勝したこともある気鋭のミュージシャン/プロデューサーで、ヒップホップ/R&Bの名曲をジャズ的に再構築した2012年の『Re:Live -JAZZ meets HIP HOP CLASSICS-』はDJスピナ(DJ Spinna)からも「クラシック・アルバムと断言できる」など絶賛された。
デビューから携わっている山口リサの最新作への参加や、女性シンガーのAi Ichikawaとのコラボ作発表の傍ら、昨年には自身のジャズ〜ファンク趣味を大いに全開させたmonolog名義作『17 Living Souls』を発売。パトリース・ラッシェン(Patrice Rushen)本人を迎えて彼女の代表曲“Remind Me”をカバーしたほか、アーチー・ベル&ザ・ドレルズ(Archie Bell & The Drells)の“Tighten Up”などの強力なカバー、それに負けないオリジナル曲で、彼の“黒い”才能を存分に発揮。先行発売された新宿タワーレコードなどを中心に話題を呼んだ。その続編ともなるのが、14日に発売されたニュー・アルバム『14 Beats N’ Rhymes』だ。
グルーヴィなジャズ〜ファンク・サウンドはそのままに、今回はタイトルに表われているように、ヒップホップにもより接近。90年代ヒップホップ・ソウルを思わせる“Garden of EDEN”があるかと思えば、ビースティ・ボーイズ(Beastie Boys)の故MCAへの追悼としてビースティ“Root Down”の元ネタであるジミー・スミス(Jimmy Smith)曲をオマージュした“Dear Jimmy Smith & MCA”なども収録。中でも、ジャネイ(Zhane)の代表曲“Hey Mr. DJ”とTLC“Creep”という90年代ヒップホップ・ソウルのクラシックのカバーは、原曲に沿った前者、ジャジーに仕上がった後者とそれぞれ異なる仕上がりで、本作の楽しみのひとつと言えるだろう。また、ダフト・パンク(Daft Punk)“Get Lucky”以降のブギー/ディスコ再燃に同調するような“Love Struck”では、昨年BBEから発売されたコン(Kon)のディスコな快作『On My Way』にmonolog/YUKI KANESAKAが鍵盤で参加していたことも思い出させるその仕上がりにニヤリとする者も少なくないだろう。黒いグルーヴを軸に、ファンク、ソウル、ジャズ、ヒップホップを展開する彼の多面的な才能を感じられるアルバムとなっている。
monologの新作『14 Beats N’ Rhymes』は5月14日発売。発売に合わせて、彼のヒューマンビートボックスに乗せてラッパーのカリーフ(Caliph)がフリースタイルを披露するストリート・ライブ映像も挿入されるアルバム・トレイラー映像が公開されているほか、前作『17 Living Souls』のミュージック・ビデオのフル映像も公開がスタートしている。
元記事 : bmr 配信日時 : 2014-05-14 18:54